top of page

前屈を紐解く

更新日:4 日前

「前屈してみて」と言われたとき、

どこをどんな風に使うのか考えたことはありますか?


前屈はただ腰を丸める動きではなく、

「股関節の屈曲」

「骨盤の後傾」

「腰椎の屈曲」

という3つの動きが組み合わさって生まれる

体の前面を折りたたむ動作です。


ree

「股関節の屈曲」とはコマネチラインから体をボキッと折り曲げる動き、


「骨盤の後傾」とは骨盤そのものを丸く後ろに倒す動き、


「腰椎の屈曲」とは腰の辺りの背骨を丸くする動きです。



では、どんな順番でこれらが起こるのか、

また意識して起こしていけば良いか、

考えたことはありますか?




例えば、タダーサナ(きをつけ)の姿勢から、

ウッタナーサナ(立位前屈)へ移動する体幹の角度を180度分としたとき、

その理想的な配分は、

股関節が約115°~125°

骨盤の後傾が約15°~25°

腰椎の屈曲が約25°~35°

とされています。


割合にすると、 股関節がだいたい7割

骨盤の後傾が約1割

腰椎の屈曲が約2割。



もっとざっくり言うと、


前屈は、「7割が股関節の屈曲、残り3割を骨盤と腰で分担している動き」


くらいのイメージで捉えると、分かりやすいと思います。


股関節の屈曲が占める割合が大きいですね。


とすると、どこが一番働いて欲しいのか。



それは、圧倒的に股関節。



前屈の主役は股関節で

骨盤と腰はサポート役に過ぎない


ということになります。


前屈が苦しい方の多くは、

この中でも股関節を折り曲げる、引き込むという感覚が抜けたまま、

腰を丸める動作だけが強く出てしまっているパターンです。


本来、安全な前屈はまず股関節の屈曲から始まり、

そこから体は股関節を支点に折りたたまれるように前へ倒れていきます

ree

私の感覚としては、

骨盤や背骨の丸まりはその「結果」「補助」に過ぎません。



股関節がうまく使えないまま前屈しようとすると、

その不足分を全て腰で代償することになり、

見た目は前屈できているようでも、

実際には腰に大きな負担が集中してしまいます。


腰は本来大きく曲げるための構造ではないため、

この使い方は腰痛や違和感の原因になりやすく、

前屈が「心地よいポーズ」ではなく、「辛いポーズ」になってしまうのです。


逆に股関節をしっかりと引き込むことができると、

お尻の筋肉が生理反射で伸ばされるため、

柔軟性は自然と高まっていきます。


膝を何とか伸ばして前屈しようとするあまり、

腰が丸くなってしまっている状態は、

体への負担が大きいだけで柔軟性の向上はあまり見込めません。


安全に前屈力を高めるためにまず知ってほしいのは、


前屈=股関節をしっかり屈曲させることから始まるということです。



日頃教えてくださる先生方のご指導をまとめ、

自分の体で実践してきて今感じていることを書いてみました。

Copyright ©unico-yoga. All Rights Reserved.

bottom of page